大事なプレゼンテーションだと力が入る。
やたらとオリジナリティや、自分独自のこだわりを発揮する。
気持ちはわかりますが、それ、逆効果な場合が多いですよ。
ノーベル賞授賞式のスピーチならまだしも。
ビジネスでのプレゼンで、オリジナリティは求められていません。
オリジナリティがありすぎると、むしろ理解しにくいのです。
プレゼンテーションに自信がない人ほど、オリジナリティは無くしましょう。
構成や文体はあえて型にはまって進めるべきです。
「守破離(しゅはり)」という言葉を知っていますか?
これは、古くは能の世阿弥や茶人の千利休から現在では剣道などの武道の世界で尊ばれている、修行の段階に関する教えです。
「守(しゅ)」修行の最初の段階。まずは教えを忠実に学ぶ。
「破(は)」学んだことを基本として、自分なりの創意工夫を凝らす。
「離(り)」形にこだわらない、とらわれない境地に至る。
このように、物事の最初の段階では基本に忠実であるべきです。
故18代目中村勘三郎は、生前にコクーン歌舞伎やニューヨークの平成中村座上演など、歌舞伎界のイノベーターとして有名です。
彼の名言に「型があるから型破り、型がなければだたの”形無し”」があります。
数々の新奇な挑戦に挑んだ人物でも、型を大切にしていたということです。
確かにオリジナリティあふれたプレゼンテーションは、メリットもあります。
記憶に残りやすいですね。
しかし「あのプレゼンテーションは変わってたけど、内容何だっけ?」
そんな記憶の残り方をしては本末転倒です。
構成や文体はあえて型にはまる。
オリジナリティは内容そのもので発揮するようにしましょう。